伝統技術で「皮」を「革」に変える工場を見学
栃木レザーさんは、「皮」から「革」にする工場・・・つまり、革鞣し工場です。
2013年12月、工場見学におじゃましました。
「皮」はそのままだと腐ってしまうため、鞣し剤を用い、
その成分を皮のタンパク質と結合させて 腐らない状態にします。
この工程を鞣す(なめす)といい、できたものが「革」になります。
現在、鞣し剤には、金属製のクロムを使用する工場が多いのですが、
栃木レザーさんは昔ながらの植物タンニンを使用し、匠の技術で伝統を守っています。

動物への感謝の気持ちを実感
倉庫に積まれた原皮。まだ、毛も付いたまま、動物臭もします。
いつも見慣れてる革は、動物の命をいただき、
その皮からできているのだと実感します。

植物タンニンで時間をかけて丁寧に
皮革製造工程は、とても多く複雑。その核となる工程が「植物タンニン鞣し」です。
写真(左)は、植物タンニン溶解液の入った槽に皮を漬込んでいるところで、
現在は、ミモザから抽出したタンニンを使用しているとのこと。
薄いタンニン槽から濃いタンニン槽へと時間をかけて漬込まれていきます。

地元の美しい川を守る努力に感心
革鞣しには、大量の水が使われます。栃木レザーでは、独自の廃水施設を持っており、排水処理には化学薬品を使用せず、なんと微生物と
酵素だけで、きれいな(排水基準を満たす)水にしています。汚泥は、有機肥料として還元しています。水は、敷地内を横切る一級河川
うずま川に流されていますが、鯉や鰌が棲み下流では蛍が舞う美しい川が工業廃水で汚れない様、日々努力されているんですね。